マイナス1歳からの虫歯予防とは
虫歯というのは、歯が存在していなければ発症することはありません。実際、すべての歯を失った方は虫歯になるリスクがゼロとなっています。ただ、これから歯が生えてくる赤ちゃんにとっては、歯が1本もない状態でも虫歯菌は注意すべき存在となります。そこで重要となるのが「マイナス1歳からの虫歯予防」です。
▼マイナス1歳ってどういうこと?
マイナス1歳とは、赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいる時期を指します。具体的には、妊娠から出産までの10ヵ月間ですね。この期間中にお母さんが虫歯になることは、生まれた後の赤ちゃんの虫歯リスクを大きく上昇させることがわかっており、最近ではマイナス1歳からの虫歯予防が強く唱えられるようになったのです。
▼お口のトラブルは二の次になりがち
妊娠中は、ホルモンバランスの乱れやつわりの影響などで、口腔衛生状態が悪くなりがちです。そのため、妊婦さんで歯周病や虫歯になる人も珍しくないのですが、そうしたお口の病気にかかっても歯医者さんへの受診を躊躇してしまうケースが非常に多くなっています。
もちろん、お口の病気は全身の病気と比べると、母体に与える影響が比較的小さく、無理をしてまで歯科を受診することでデメリットの方が大きくなることもあるでしょう。けれども、お母さんの虫歯は生まれてくる赤ちゃんに感染を広げる原因になりますし、歯周病に関しては、妊娠中に重症化させることで早産・低体重児出産のリスクが大きく上昇します。そうした点も踏まえると、妊娠中のお口のトラブルは適切な時期にきちんと対処した方が良いといえるのです。
▼妊娠中に歯医者に行っても大丈夫?
妊娠中の虫歯・歯周病の予防や治療は、当然ですが歯医者さんに行かなければなりません。歯医者さんでの処置となると、歯を削ったり、レントゲン撮影を行ったりするなど、母体への影響が大きそうなものばかりなので、そもそも妊娠中の受診は控えるべきでは?と思われるかもしれませんね。確かに、母体が安定しない妊娠初期や妊娠後期の受診は推奨できませんが、お腹の赤ちゃんの発育もひと段落つく妊娠中期であれば、虫歯予防や虫歯治療の処置も問題なく受けられますので、まずはお気軽にご相談ください。
▼まとめ
今回は、マイナス1歳からの虫歯予防について解説しましたがいかがだったでしょうか?妊娠中は心身ともに不安定となりがちなので、お口のことまで意識が回らないことも多いかと思いますが、生まれてくる赤ちゃんの正常な発育のためにも、そしてお母さんご自身の健康のためにも、妊娠期から口腔ケアを徹底していくことをおすすめします。